ゼロから始めるサラリーマンが使える10の節税対策を税金の仕組みから徹底解説!

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金融リテラシー
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サラリーマンの節税

 

税金の世界は知っている人が得をして知らない人は損をするように出来ています。

さらにサラリーマンの場合は、会社が各税目を天引きにより納付していますから負担する当人は無自覚である場合も少なくありません。

ここからは、合法的に負担する税金を減らす事が出来る節税について見て行きましょう。

節税を考えるに際して税額の計算手順を抑えておきましょう。

  • 所得=(収入−所得控除)
  • 税額=所得×各税率

節税については、2つの種類があります。それは、所得控除と税額控除です。

所得控除とは、所得を算出する過程の所得控除となる各種支払額の事です。

税額控除とは、所得に税率を掛けて算出された税額から差し引ける控除の事です。

また、所得控除を受けると課税の基礎となる所得を引き下げる事が出来ますので、住民税についても節税効果を享受する事が出来ます。

所得税の節税

所得税の税率は、所得によりますが5%〜最大45%です。

国税庁 所得税の税率

生命保険

  • 払込保険料が所得控除に使える
  • 控除額は最大12万円
  • 生命保険料の負担者が所得控除に使えるので家族名義の保険をまとめて支払っている場合でも控除として使う事が出来ます。

民間保険会社で提供されている生命保険に加入し保険料を支払う事で、所得控除になります。

対象となる保険商品は、保険会社が提供する全ての保険です。

保険の種類別に生命保険料控除・介護医療保険料控除・個人年金保険料控除に分類されます。

年間払込保険料と控除額の関係(新生命保険料の場合)

年間の払込保険料控除額
20,000円以下払込保険料全額
20,000円超〜40,000円以下払込保険料×1/2+10,000
40,000円超〜80,000円以下払込保険料×1/4+20,000
80,000円超一律40,000円

保険料控除3分類でそれぞれ最大40,000円の控除なので生命保険料控除は最大120,000になります。

また、最大120,000円の控除を受けるための年間払込保険料は240,000円です。

所得税率5%と考えた場合の節税額を試算してみましょう。

「120,000円(生命保険料控除額)×5%(所得税率)=6,000円(節税額)」

住民税率10%と考えた場合の節税額を試算してみましょう。

「120,000円(生命保険料控除額)×10%(住民税率)=12,000円(節税額)」

所得税と住民税合わせて18,000円もの節税を実現出来るのですね!

利回りを考えると「18,000円(節税額)÷240,000(払込保険料)×100=7.5%(利回り)」となりますので、投資としても悪くない数字です。

所得税率は収入に伴って高くなり最大45%です。そのため収入が多い人ほど生命保険料控除による節税の恩恵を受ける事が出来ます。

国税庁 生命保険料控除

iDeCo(個人型確定拠出年金)

  • 国が主導する金融商品運用による年金積立制度
  • 月額5,000円~23,000円から掛金を自由に設定出来る
  • 掛金は全額所得控除に使える
  • 投資信託の運用益は非課税
  • 年金を受け取る際も税制優遇されます
  • 60歳までは引き出せない
  • 投資信託による運用では損失が出る場合もあります
  • 預金や保険など元本保証型の金融商品もあります

国が主導している国民年金や厚生年金の上乗せ制度です。

iDeCoへの加入は銀行や証券会社など各種金融機関で行っています。

掛金はiDeCo加入者が負担しますが、支払った金額は全額所得控除出来ます。

iDeCo加入者は、投資先の金融商品を指定しますが、運用自体は委託先の金融機関が行ってくれます。

投資信託による資産運用において場合によっては損失を被る可能性があるので金融商品の選定やリスク分散には留意しましょう。

それでは具体的な節税額についてシミュレーションして行きます。

前提条件は、川尻浩作を例として、年収は420万円、妻と子1人でiDeCoの掛金は月5,000とします。

iDeCo加入時(円)iDeCo未加入時(円)
所得1,402,7601,462,760
年間iDeCo支払額60,0000
所得税額(税率5%)70,13873,138
住民税額(税率10%)140,276146,276

上記の例では、iDeCoに加入し掛金を全額所得控除とする事で、所得税と住民税合わせて9,000円の節税効果が得られました。運用額60,000円に対して9,000円のリターンなので運用利回りで言うと15%にもなります。

こちらからiDeCo公式サイト かんたん税制優遇シミュレーションご自身の場合を想定したシミュレーションが出来ますので、確認してみましょう。

厚生労働省 iDeCoとは

配偶者控除・配偶者特別控除

  • 対象は婚姻会計のある夫婦で納税者の年収が1,000万円以下で配偶者の給与収入が103万円以下
  • 配偶者の収入が103万円を超える場合は配偶者特別控除が適用される

扶養する配偶者の居る場合は配偶者特別控除を受ける事が出来ます。

所得控除額は控除を受ける納税者の年収によって段階的に変わります。

控除を受ける納税者本人の所得配偶者控除額
900万円以下38万円
900万円超950万円以下26万円
950万円超1,000万円以下13万円

川尻浩作を例にすると納税者本人の川尻浩作の所得は900万円以下で妻は専業主婦のため収入はありませんので、満額の38万円の控除を受ける事が出来ます。

仮に妻に収入があり103万円を超える場合は配偶者特別控除が適用されます。

ここで言う妻の収入の上限が俗に言う103万円の壁と言われるものです。

内訳としては給与所得控除55万円と基礎控除48万円合わせて103万円です。

控除を受ける納税者本人の合計所得金額(万円)
900万円以下900万円超
950万円以下
950万円超
1,000万円以下
配偶者の合計所得金額48万円超 95万円以下38万円26万円13万円
95万円超 100万円以下36万円24万円12万円
100万円超 105万円以下31万円21万円11万円
105万円超 110万円以下26万円18万円9万円
110万円超 115万円以下21万円14万円7万円
115万円超 120万円以下16万円11万円6万円
120万円超 125万円以下11万円8万円4万円
125万円超 130万円以下6万円4万円2万円
130万円超 133万円以下3万円2万円1万円

ご覧の通り収入制限をわずかに超える程度であれば控除額はさほど変わりません。

しかし、収入制限を超えて配偶者特別控除38万円が全額受けられない場合は、納税者の所得税率を5%と仮定した場合、19,000円1)380,000円(配偶者控除額)×5%(所得税率)納税負担が増加する事になります。

国税庁 配偶者控除

国税庁 配偶者特別控除

扶養控除

  • 対象者は、配偶者以外の親族(6親等内の血族および3親等以内の姻族)
  • 納税者と生計を一にしている
  • 扶養者の収入は103万円以下
  • 扶養者の年齢は16歳以上

対象となる親族の範囲ですが、図を用意してみたので確認してみましょう。

ヴァンテアン株式会社 親等図より

かなり扶養の対象が広いことがお分かり頂けたかと思います。

再従兄弟姉妹など祖父の兄弟の孫ですから、ほとんど面識がなくてもおかしくありませんよね。筆者自身も従兄弟姉妹までは、把握できていますがそれ以上となると顔と名前が一致する自信がありません。

生計を一にするという定義ですが、こちらは必ずしも同居のみが扶養控除の対象となる訳ではありません。国税庁 生計を一にするの意義によると余暇には起居を共にするであったり、単身赴任や修学で一人暮らしする子であっても常に生活費等の送金が行われている事実があれば、生計を一にすると考えます。

扶養控除には対象者毎に控除額が異なりますので控除額と要件を見ていきましょう。

区分控除額(万円)
①一般の控除対象扶養親族38
②特定扶養親族63
③老人扶養親族同居老親等以外の者48
同居老親等58

①一般の控除対象扶養親族とは、年齢が16歳以上の扶養親族です。

②特定扶養親族とは、控除対象扶養親族の内19歳以上23歳未満の扶養親族です。

③老人扶養親族とは、控除対象扶養親族の内70歳以上の扶養親族です。同居の別によって控除額が変わります。

節税額を試算してみましょう。扶養親族1人あたり38万円の所得控除ですから、

「380,000円(扶養控除)×5%(所得税率)=19,000円(節税額)」となります。

扶養親族は、会社で年末調整を行う際に給与所得者の扶養控除等申告書に記載する事で控除を受ける事が出来ますので、忘れずに申告しましょう。

また、夫婦共働きで子が控除対象扶養親族の場合はどちらの扶養親族として年末調整を行う方が節税額が高く有利なのかという事も一度検討してみる事をおすすめします。

国税庁 扶養控除

医療費控除

  • 対象は納税者本人や配偶者、親族などが病気や怪我の療養の為に費やした医療費
  • 年間で10万円を超える医療費が所得控除に使える
  • 保険金等で補填される部分は医療費から控除される
  • 医療費控除限度額は200万円
  • 所得控除を受ける為には確定申告が必要
  • セルフメディケーション税制との選択適用

年間に負担した医療費について確定申告する事で所得控除が受けられる制度です。

また、申告できる医療費は本人のほかに生計を一にする配偶者や親族が負担したものも合算する事が出来ます。ただし、医療費については、健康増進などではなく医師の指導により疾病の治療のために要したものが対象になります。

疾病の治療のために要した医療費については、病や怪我によって自家用車の運転が困難な場合などでタクシーや公共交通機関によって通院した際の交通費も含める事が出来ますので、領収書は捨てないように保管しておきましょう。

所得控除となる医療費は年間で10万円を超える部分になりますので、例えば年間の医療費を合計して11万円だった場合の所得控除額は、「110,000(実負担医療費)−100,000(医療費控除額)=10,000(所得控除額)」となります。

この場合の節税額を試算してみましょう。

所得税で「10,000(所得控除額)×5%(所得税率)=500円(節税額)」

住民税で「10,000円(所得控除額)×10%(住民税率)=1,000円(節税額)」

所得税と住民税を合わせると1,500円の節税になります。

国税庁 医療費控除

セルフメディケーション税制

  • 対象は納税者本人や配偶者、親族などが健康増進の為に使用した一般医薬品の購入費
  • 年間で12,000円を超える購入費が所得控除に使える
  • 所得控除限度額は88,000円
  • 所得控除を受ける為には確定申告が必要
  • 医療費控除とは選択適用

2017年度から新設された健康増進のために使用したセルフメディケーション 税制対象一般医薬品の購入費が所得控除に使える制度です。対象となるのは、本人のほかに生計を一にする配偶者や親族が負担した購入費を合算する事が出来ます。

所得控除を受けるためには、確定申告をする必要があります。また医療費控除との選択適用となりますので、確定申告の際には、どちらが自身に有利かを検討するようにしましょう。

医療費控除の対象となる医療費は、医師などの指導により治療に要する費用でしたが、セルフメディケーション 税制は、健康増進のための一般医薬品の購入費が対象になります。

セルフメディケーション 税制の対象となる一般医薬品は2020年3月時点で1,800点を超えています。

詳細は厚生労働省 セルフメディケーション税制対象品目一覧をご確認ください。

対象医薬品にはセルフメディケーション 税制の対象である事が目で見て分かるようにロゴが印刻されています。

セルフメディケーション 税制に所得控除を受けるためには、健康増進への取組をしている必要があります。健康増進への取組としては、インフルエンザの予防接種や会社で受診する定期健康診断などが挙げられます。

所得控除となる購入費は12,000円を超える部分が対象になりますので、医療費控除よりも使える場面は多くなりますね。

所得控除額を試算して見ましょう。例えば年間にセルフメディケーション 税制対象医薬品を20,000円分購入していた場合は、「20,000円(実医薬品購入費)−12,000(購入費控除額)=8,000円(所得控除額)」

節税額としては、所得税で「8,000円(所得控除額)×5%(所得税率)=400円(節税額)」

住民税で「8,000円(所得控除額)×10%(所得税率)=800円(節税額)」

所得税と住民税を合わせて1,200円の節税額となります。

日本一般医薬品連合会 セルフメディケーション税制

住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)

  • 対象者は銀行などの金融機関から借入をして新築または新築戸建て住宅を購入した方
  • 借入金の返済期間は10年以上
  • 合計所得金額が3,000万円未満
  • 構造によって控除額に違いがある
  • 控除を受けるためには、初年度のみ確定申告が必要。次年度からは年末調整で控除が受けられる。

これまで紹介してきた様々な節税方法は所得控除になるものでしたが、住宅ローン控除は、適用する事で税額控除を受ける事が出来ます。

所得控除と税額控除の違いは、所得控除は税額計算の基礎となる所得を引き下げるものなのに対して税額控除は、納めるべき税額そのものを引き下げる事が出来る事です。

控除額は、年末時点の借入金残高に一定割合を掛けた値です。

それでは、具体的な住宅ローン控除額を見てみましょう。

住み始めた年月控除年数各年の控除額
2020年12月31日まで13住宅の取得等が特別特定取得2)住宅の購入費に掛かる消費税率が10%のものに該当する場合]
【1~10年目】
年末残高等×1%
(40万円)
【11~13年目】
次のいずれか少ない額が控除限度額
丸1年末残高等〔上限4,000万円〕×1%
丸2(住宅取得等対価の額-消費税額〔上限4,000万円〕)×2%÷3

(注) 「住宅取得等対価の額」は、補助金及び住宅取得等資金の贈与の額を控除しない金額をいいます。
10[上記以外の場合]
1~10年目
年末残高等×1%
(40万円)

(注) 住宅の取得等が特定取得3)住宅の購入費にかかる消費税率が8%もしくは10%の場合以外の場合は20万円
2021年1月1日〜12月31日まで101~10年目
年末残高等×1%
(40万円)

(注) 住宅の取得等が特定取得以外の場合は20万円

また、購入した住宅が認定住宅4)耐震・耐火やバリアフリー設計など一定要件を満たす住宅に該当する場合の控除額

住み始めた年月控除年数各年の控除額
2020年12月31日まで13[住宅の取得等が特別特定取得に該当する場合]
【1~10年目】
年末残高等×1%
(50万円)
【11~13年目】
次のいずれか少ない額が控除限度額
1年末残高等〔上限5,000万円〕×1%
2(住宅取得等対価の額-消費税額〔上限5,000万円〕)×2%÷3

(注) 「住宅取得等対価の額」は、補助金及び住宅取得等資金の贈与の額を控除しないこととした金額をいいます。
10[上記以外の場合]
1~10年目
年末残高等×1%
(50万円)

(注) 住宅の取得等が特定取得以外の場合は30万円
2021年1月1日〜12月31日まで101~10年目
年末残高等×1%
(50万円)

(注) 住宅の取得等が特定取得以外の場合は30万円

例えば、2020年6月に3,000万円の新築住宅を30年ローンで購入した場合の税額控除額を試算してみましょう。

ローンの返済は7月から開始したとすると初年度に返済した借入金は、50万円ですので、年末の借入金残高は2,950万円ですので控除額は「2,950万円(年末残高)×1%=29万5千円(税額控除額)となります。

先の川尻浩作の例では、年間の所得税額は7万円程でしたから、所得税よりも税額控除額が上回っていますので、納めていた税金が還付されます。

所得税を差し引いてもなお控除額が超過している場合は、翌年分の住民税から控除する事が出来ます。

国税庁 住宅ローン控除

References   [ + ]

1.380,000円(配偶者控除額)×5%(所得税率)
2.住宅の購入費に掛かる消費税率が10%のもの
3.住宅の購入費にかかる消費税率が8%もしくは10%の場合
4.耐震・耐火やバリアフリー設計など一定要件を満たす住宅

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